利用されている野菜は世界で800種類以上あるとも言われ、日本でも多くの種類の野菜が利用されています。
このように野菜にはさまざまな種類がありますが、分類のしかたは1つではありません。
一般的によく使われるのが、次の2つの考え方です。
・科による分類
・食べる部分(利用部位)による分類
この2つは目的が異なるため、分けて理解することが大切です。
① 科による分類
まずは「科」による分類です。
これは植物学的な方法によるグループ分けで、近い仲間同士をまとめたものです。
同じ科の野菜は、病害虫や生育の特徴などに共通点を持つ傾向があります。
代表的な例を見てみましょう。
ナス科
トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ、トウガラシなど
見た目は異なりますが、植物としては同じグループに分類されます。
ウリ科
キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤなど
つる性で広がるように育つものが多いのが特徴です。
アブラナ科
キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ダイコン、カブ、コマツナなど
葉・花・根など、利用する部分が異なる野菜が同じ科に含まれます。
ヒガンバナ科
ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなど
以前はネギがユリ科に分類されていましたが、ヒガンバナ科へと変更しました。
キク科
レタス、シュンギク、ゴボウなど
こちらも、葉を食べるものと根を食べるものが同じ科に含まれます。
セリ科
ニンジン、セロリ、ミツバ、パセリなど
香りのある野菜が多いのが特徴です。
なぜ「科」で分類するのか
科による分類は、栽培管理や輪作を考える際の目安としてよく使われます。
同じ科の野菜は、
・共通する病害虫が発生しやすい
・似たような養分の使い方をする
といった傾向があります。
そのため、同じ科の野菜を同じ場所で続けて育てると、土壌のバランスが偏り、生育不良や病害虫の増加につながることがあります。
※連作障害については、こちらの記事で詳しく解説しています。
野菜の分類② 食べる部分(利用部位)による分類
次に、「どの部分を利用するか」による分類です。
これは植物としての分類ではなく、食べ方や利用方法による分け方になります。
農林水産省の区分では、主に次のように整理されています。
果菜類(実を利用する野菜)
トマト、ナス、キュウリ、ピーマン、カボチャなど
果実の部分を主に利用する野菜です。
葉茎菜類(葉・茎・花蕾を利用する野菜)
キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ネギ、ブロッコリーなど
葉や茎だけでなく、ブロッコリーのように花のつぼみ(花蕾)を利用する野菜も含まれます。
根菜類(土の中の部分を利用する野菜)
ダイコン、ニンジン、ゴボウ、カブ、ジャガイモなど
一般には、土の中にできる部分を利用する野菜としてまとめられます。
ただし、植物学的にはジャガイモは地下茎の塊茎であり、必ずしもすべてが「根」そのものではありません。
香辛野菜
ショウガなど
香りや辛味を利用する野菜です。
果実的野菜
スイカ、メロン、イチゴなど
農林水産省の区分では野菜に含まれますが、食品分類や一般的な感覚では果物として扱われることもあります。
2つの分類の違い
野菜は、1つの分類だけで決まるものではありません。
例えば、
トマト → ナス科 + 果菜類
ダイコン → アブラナ科 + 根菜類
レタス → キク科 + 葉茎菜類
というように、2つの視点で整理することができます。
科は「植物としての分類」、利用部位は「どの部分を利用するかの分類」と考えると理解しやすくなります。
まとめ
野菜の分類は、次の2つを分けて考えることが重要です。
・科による分類(植物としてのグループ)
・利用部位による分類(食べる部分)
この2つを理解しておくことで、
野菜の特徴や違いを整理しやすくなります。
まずは、身近な野菜が「どの科に属し、どの部分を利用しているのか」を意識してみると、理解が深まります。


