追肥とは、作物の生育途中に追加で施す肥料のことです。
元肥は植え付け前に施しますが、追肥はその後の生育に合わせて不足しやすい養分を補うために行います。
野菜栽培では、元肥だけですべての養分をまかなうのではなく、生育の様子を見ながら追肥で調整していくことが大切です。
特に、長期間栽培する野菜や収穫が続く野菜では、追肥の管理が生育や収量に大きく関わります。
追肥の役割
生育途中の養分不足を補う
野菜は生長にともなって、必要とする養分量が変化します。
植え付け後しばらくして株が大きくなると、元肥だけでは養分が足りなくなることがあります。
その不足分を補うのが追肥の役割です。
追肥を適切に行うことで、草勢の低下を防ぎ、安定した生育につなげやすくなります。
収穫を長く安定させる
果菜類や葉物野菜の中には、一度で収穫が終わらず、長く収穫が続くものがあります。
こうした野菜では、生育や収穫によって養分が継続的に使われるため、追肥が重要になることがあります。
追肥によって必要な養分を補うことで、
- 草勢の維持
- 花や実のつきの安定
- 収穫量の維持
につながります。
生育に合わせて調整できる
追肥の大きな特徴は、生育を見ながら調整できることです。
元肥は植え付け前に施すため、後から修正しにくい面があります。
一方、追肥は株の様子を見ながら量や回数を調整しやすいため、実際の生育に合わせた管理がしやすくなります。
元肥と追肥の違い
| 項目 | 元肥 | 追肥 |
|---|---|---|
| タイミング | 植え付け前 | 生育途中 |
| 目的 | 初期生育の安定・土づくり | 生育維持・養分補給 |
| 調整のしやすさ | 後から修正しにくい | 生育を見ながら調整しやすい |
元肥は栽培の土台を作るもの、追肥は生育途中の不足分を補うものと考えるとわかりやすいです。
元肥について詳しく知りたい方は、関連記事もあわせてご覧ください。
追肥が必要になりやすい野菜
追肥の必要性は、作物の種類や栽培期間によって異なります。
一般的に、トマト、ナス、ピーマン、キュウリのように長期間収穫が続く野菜では、追肥が重要になることが多くあります。
また、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーのように、生育にともなって葉や株が大きくなる野菜でも、栽培条件によって追肥を行います。
ただし、必要な量や回数は作物や作型、土壌条件によって異なるため、すべての野菜に一律で同じように追肥するわけではありません。
追肥のタイミング
追肥は「植え付けから何日後」と機械的に決めるよりも、作物の生育段階や株の状態を見て判断することが大切です。
タイミングの目安
追肥の判断材料としては、次のようなものがあります。
- 草勢が落ちてきた
- 葉の色がやや薄くなってきた
- 実つきや肥大が鈍くなってきた
- 収穫が始まった、または続いている
果菜類では、最初の実がつき始めた頃や、収穫が始まった頃が追肥の目安になることがあります。
ただし、実際のタイミングは作物の種類や生育の様子によって変わります。
また、葉の色が濃すぎたり、茎葉ばかり茂っている場合は、すぐに追肥すべきとは限りません。
追肥は多ければよいわけではなく、株の状態を見ながら判断することが重要です。
追肥のやり方
① 株元を避けて施す
追肥は、肥料が直接根や株元に強く当たらないように施します。
株元に近すぎると根を傷める原因になることがあるため、株元に直接置かず、作物や株の大きさに応じて少し離して施すのが基本です。

根は株元だけでなく、まわりの土へ広がりながら伸びていきます。
追肥を少し離して施すことで、根が広がっている位置に養分を届けやすくなります。
② 軽く土と混ぜる
粒状の肥料を表面にまいただけでは、効き方が安定しにくいことがあります。
そのため、施したあとは表土と軽く混ぜる、または土寄せを兼ねてなじませると良いです。
ただし、根を傷めないよう、深く掘りすぎないことが大切です。
③ 水やりや降雨でなじませる
追肥後は、土となじませるために適度な水分があると効きやすくなります。
乾燥しすぎていると肥料が効きにくくなることがあるため、土の状態を見ながら管理します。
追肥に使う肥料の種類
化成肥料
- 成分量が明確で管理しやすい
- 効き方が比較的安定している
- 初心者でも量を調整しやすい
追肥では、まず扱いやすい化成肥料が選ばれることが多いです。
有機質肥料
- 比較的緩やかに効くものが多い
- 資材によって効き方に差がある
- 土づくりを意識した管理と相性がよい
有機質肥料を使う場合は、効き始めるまでの時間や資材ごとの特徴を確認して使うことが大切です。
液体肥料
- 速効性がある
- 一時的な養分補給に向く
- 必要に応じて補助的に使いやすい
液体肥料は、生育を見ながら使いやすい資材です。
ただし、これだけで長期間の栽培を安定して支えるのは難しい場合もあります。
追肥の量の考え方
基本は少量ずつ
追肥は、一度にたくさん入れるよりも、少量ずつ様子を見ながら行う方が失敗しにくいです。
元肥と同じく、肥料は多ければよいわけではありません。
特に追肥は、生育途中の株に直接影響しやすいため、入れすぎには注意が必要です。
追肥する前に確認したいこと
追肥は「元気がないから多めに入れておこう」と考えたくなりますが、原因が肥料不足とは限りません。
実際には、
- 水分不足
- 根傷み
- 低温や高温
- 病害虫
などが原因で生育が落ちていることもあります。
肥料で解決できる症状なのかを見極めずに追肥すると、かえって状態を悪くしてしまうことがあります。
追肥の入れすぎで起こりやすいこと
追肥が多すぎると、次のような問題につながることがあります。
- 肥料焼けで根が傷む
- 葉や茎ばかり茂って徒長する
- 実つきが不安定になる
- 株が軟弱になり、病害虫の被害を受けやすくなる
追肥は不足分を補うためのものなので、様子を見ながら少しずつ調整することが大切です。
よくある失敗
元気がないとすぐ追肥してしまう
株の勢いが落ちていると、すぐに肥料不足だと考えてしまいがちです。
しかし、実際には水分や根の状態、気温などが原因のこともあります。
まずは葉色、土の乾き具合、根元の状態などを確認してから判断することが大切です。
株元の近くに施しすぎる
追肥を株元に近づけすぎると、根を傷める原因になります。
肥料は株元に直接置くのではなく、少し離した位置に施します。
一度に多く入れてしまう
追肥は調整しやすい反面、一度に多く入れると影響も出やすくなります。
少量ずつ様子を見ながら施すことが失敗を防ぐポイントです。
まとめ
追肥は、野菜の生育途中に不足する養分を補うために行う重要な管理です。
- 生育途中に追加で施す肥料
- 長期間栽培する野菜や収穫が続く野菜で重要になりやすい
- 生育を見ながら少量ずつ調整することが大切
元肥で土台を作り、その後の生育を追肥で支えていくことで、野菜は安定して育ちやすくなります。


