スギナは、畑や庭、空き地などでよく見られる多年生の雑草です。
春には「つくし」が出て、そのあとに細い緑色の茎が伸びていきます。つくしとスギナは別の植物ではなく、同じ植物の時期による違いです。
見た目はやわらかそうですが、とてもやっかいな雑草です。
その大きな理由は、地上に見えている部分だけでなく、土の中に地下茎が広く伸びているためです。
スギナは主に地下の根茎で増殖する雑草で、地上部だけを除いても再生してしまいます。
スギナの生態
地下茎で広がる
スギナの大きな特徴は、地下茎で広がることです。
地上に出ている茎を抜いても、土の中に地下茎が残っていれば、そこからまた再生します。
そのため、見えている部分だけを何度抜いても、思うように減りません。
スギナ対策で本当に意識すべきなのは地上部ではなく、地下の根茎です。
スギナのサイクル
スギナは春先につくしを出し、そのあとに緑色の茎を伸ばします。
伸びた地上部は春から初夏にかけて生育し、光合成によって地下部に養分を蓄えます。
夏になると、ほかの雑草にまぎれて目立ちにくくなります。
その後、秋から冬にかけて地上部は枯れていきますが、土の中の地下茎は残り、そこで越冬します。
そして翌年の春になると、再びつくしが出てきます。
このようなサイクルを理解したうえで、適切に対策していくことが大切です。

スギナは春先につくしを出すことが多いですが、すべてのスギナが必ずつくしを発生させるわけではないです。
なぜスギナは抜いても減りにくいのか
地上部だけでは取り切れないから
スギナが減りにくい最大の理由は、地下茎が残りやすいことです。
地下茎は地表近くから深いところまで広がっており、30cmより深い位置に多く、1m以上に達することもあります。
そのため、手や鎌で抜いたり刈ったりしても地上部だけが切れ、土の中の本体までは取り切れません。
その結果、しばらくするとまた同じ場所から伸びてきます。
地下で広くつながっているから
スギナの地下茎は土の中で広く伸びています。
そのため、一部だけ除去しても、別の場所から再生することがあります。生活力が強く、地下部まで意識しないと抑えにくい雑草です。
スギナを放置するとどうなる?
スギナを放置すると、ほかの植物のまわりまで広がり、水分や養分を奪います。
作物への影響は条件によって異なりますが、一部の野菜ではスギナの発生によって減収が確認されています。
また、畑では管理作業がしにくくなる原因にもなります。
一度広がると、抜き取りだけでは抑えにくくなるため、早めに対応した方が管理しやすくなります。
スギナの除草方法
スギナは一度で完全になくすのが難しい雑草です。
そのため、一回で終わらせるのではなく、性質に合わせて継続的に減らしていく考え方が重要です。
手で抜く
本数が少ない場合は、手で抜く方法もあります。
ただし、地上部だけを取っても地下茎が残りやすいため、これだけで完全に防ぐのは難しいです。
小さいうちに繰り返し抜いて、地上部を何度も弱らせる方法として考えるとよいでしょう。地下茎が残る以上、単発の抜き取りだけでは再生しやすいことが知られています。
適切な時期の耕起
冬の時期に耕うんして越冬芽を地表にさらすと、低温や乾燥の影響を受けやすくなり、スギナを弱らせる効果が期待できます。
ただし、スギナは地下茎で広がるため、耕うんで地下茎が切れると、逆に広がってしまうことがあります。
そのため、耕うんだけでスギナを減らせるとは限りません。
時期やその後の管理も含めて考えることが大切です。
被覆して光を遮る
黒マルチや防草シートで光を遮る方法もあります。
スギナは地下茎で再生しますが、地上部で光合成できない状態が続くと、徐々に勢いを弱められることがあります。
ただし、短期間では不十分なことも多いため、ある程度の期間継続することが大切です。
除草剤を使う
広く発生している場合や、手取りだけでは抑えきれない場合は、除草剤の活用も選択肢になります。
ただし、スギナは地下茎が本体なので、地上部だけを一時的に枯らすだけでは再生してしまいます。

スギナは酸性土壌を好むので、石灰を入れれば減ると言われることがありますが、これは間違いです。
実際には中性や弱アルカリ性の土でも生育しますし、荒れ地だけでなく肥沃な畑でも生息しています。
そのため、石灰によってスギナを除草することはできません。
除草剤を使うときの考え方
スギナに除草剤を使う場合は、
「今見えている葉を枯らす」だけでなく、「地下茎を弱らせる」ことを意識するのが重要です。
また、除草剤は種類によって使える場所や時期が異なります。
使用する際は必ず、
- 登録のある場所か
- 使用時期が適切か
- 次に育てる作物へ影響しないか
を確認することが大切です。
時期によって効果が変わることがある
スギナ対策では、除草剤の効き方が時期によって変わることがあります。
塩素酸塩粒剤は一年を通じて効果が見られる一方で、高い効果が得られやすいのは9月以降から春期で、夏場の降雨が多い時期は効果が低下しやすいとされています。
よくある失敗
地上部だけを何度も取って終わってしまう
見えている部分を取るだけでは、地下茎が残って再生しやすくなります。
何もしないよりはよいですが、スギナ対策としてはそれだけでは不十分なことが多いです。
一度で完全になくそうとする
スギナはしつこい雑草なので、一回の除草で完全になくすのは簡単ではありません。
何度か対策を重ねながら、徐々に弱らせていく意識が大切です。
まとめ
スギナは、地下茎で広がる多年生雑草です。
- 地上部だけを取っても再生しやすい
- 春につくしが出て、そのあとスギナが広がる
- 地下茎が残るため、抜くだけでは減りにくい
- 手取り、被覆、除草剤などを組み合わせて継続的に対策することが大切
スギナはしつこい雑草ですが、生態を理解すると対策の考え方が変わります。
目に見える部分だけでなく、土の中の地下茎を意識しながら、無理のない方法で少しずつ減らしていきましょう。

