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ナガミヒナゲシの生態

病害虫・雑草

1年草
分類:ケシ科・ケシ属
花期:4~6月

ナガミヒナゲシは、ヨーロッパ地中海沿岸を原産とする帰化植物です。
日本では1960年に東京都世田谷区で確認され、その後各地に広がり、現在は全国で見られます。道ばたや空き地だけでなく、畑地、樹園地、荒地などにも生育します。

草丈はおよそ20~60cmで、茎の下部には立った毛、上部には寝た毛があります。葉は1~2回羽状に深く裂け、花は茎や枝の先に1つずつつきます。花色は赤みのある橙色から淡い橙色で、花径はおよそ3~6cmです。果実は細長い円筒形で、この「長い実」が和名の由来になっています。

種子で増える力が強く、いったん定着すると翌年以降も同じ場所に発生しやすくなるので注意が必要です。

ナガミヒナゲシの特徴

ナガミヒナゲシでまず目につくのは、橙色の4枚の花弁と、花後にできる細長い果実です。
花だけを見るとヒナゲシやポピーに似ていますが、実が長くのびる点が大きな特徴です。特に、開花後にできる細いさく果は見分けるうえで非常にわかりやすいポイントです。

また、葉は細かく深く裂け、全体にやややわらかい印象があります。
春の道ばたや空き地で群生していることもありますが、1株ごとの姿を見ると、花のわりに実が長く目立つことがナガミヒナゲシらしさといえます。

ナガミヒナゲシは春に花を咲かせて目立つ雑草ですが、秋に発芽し、冬の間はロゼット状で越冬する性質を持っています。

強い繁殖力

ナガミヒナゲシは、種子によって増える一年草です。

細長い果実のなかには、種が約1600粒入っており、1個体から最大15万粒の種を生産することが知られています。また、根には他の植物の生育を阻害するアレロパシーがあり繁殖力がとても高い雑草です。

生えやすい場所

ナガミヒナゲシは、日当たりがよく、地表があらわれている場所に生えやすい植物です。

路傍、荒地、空き地のほか、畑や樹園地にも生育するとされており、土が裸地になっている場所では特に発生しやすくなります。
周囲で結実させると翌年以降の発生源になりやすいため、見つけた段階で対処する必要があります。

似た植物との見分け方

ナガミヒナゲシは、ヒナゲシやポピーに似た花を咲かせますが、見分けるポイントは果実の形です。

ナガミヒナゲシは花後に細長い実をつけるため、開花後の姿まで確認すると判別しやすくなります。一方で、一般的なポピー(ケシ類)は丸みのある実をつけるものが多く、この点で区別できます。

また、花は4枚花弁で、葉は深く切れ込みます。花色は赤ではなく、やや淡い橙色に見えることが多く、群生していると春の景観の中で目立ちます。ただし、花だけで断定すると他のケシ科植物と見分けにくいことがあるため、葉と実をあわせて確認することが重要です。

畑では放置してよいか

ナガミヒナゲシは、法律上の特定外来生物には指定されていませんが、多くの自治体で繁殖力が強く、生態系に影響を及ぼすおそれがある植物として注意喚起されています。

放置すると翌年急速に増える可能性があるため、種をつける前の早い段階で抜き取る除草する必要があります。

触るときの注意点

ナガミヒナゲシは、茎や葉にアルカロイド性の有毒成分を含むとされ、茎を折ったときなどに出る黄色い汁に触れると、皮膚の弱い人はかぶれるおそれがあります。

そのため、除去する際は、軍手やゴム手袋を使い、作業後は手をよく洗うと安心です。小さなお子さんやペットがいる場所では、興味本位で触れないように注意しておくとよいでしょう。

防除方法

ナガミヒナゲシの防除は、種子をつける前に抜き取るのが基本です。

開花中または花後すぐの段階で見つけたら、結実が進む前に除去するのが実用的です。すでに果実ができている株は、その場に放置すると種子が残るおそれがあるため、袋に入れて持ち出し、密閉して処分してください。

見た目がかわいらしい花を咲かせるので、観賞目的で残してしまいたくなる気持ちもありますが、周囲へ広がる原因になるため、畑や庭では増やさない管理を意識してください。

まとめ

ナガミヒナゲシは、ヨーロッパ地中海沿岸原産の外来植物で、日本では現在全国に分布しています。橙色の花と細長い果実が特徴で、春にかわいらしい花を咲かせる一年草です。

特定外来生物には指定されていませんが、繁殖力が強く、在来植物や周囲の植生に影響を及ぼすおそれがあります。また、茎や葉には有毒成分が含まれ、汁に触れるとかぶれる場合があるため、除去の際は手袋を着用する必要があります。

見つけた段階で早めに抜き取り、種子をつけさせないことが重要です。花がきれいでも、畑や庭では増やさない管理するように心がけましょう。

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